司法書士が扱うメイン業務は登記手続
司法書士が扱う業務には、裁判、債務整理、成年後見など様々なものがありますが、メインで扱っているのが登記業務です。
登記には大きく分けて不動産登記と商業登記があります。
不動産登記とは
土地や建物について、売買などにより権利変動が生じたときに、その旨を登記簿に記録して、一般に公示することで取引の安全を図る制度です。
司法書士は、この登記手続について書類の作成や申請の代理業務を行います。
商業登記とは
株式会社などの法人について、取引上重要な一定の事項(商号、本店所在地、代表者の氏名など)を法務局で登記し、一般に公示することにより、取引の安全を図る制度です。
司法書士は、この登記手続について書類の作成や申請の代理業務を行います。
不動産登記の中でも決済業務は司法書士の花形業務
不動産登記には、相続登記をはじめ様々な登記がありますが、なかでも、明治以来、司法書士の花形業務と言われているものに決済業務があります。
司法書士の行う決済業務とは、司法書士が不動産売買の現場(銀行の一室であることが多いです)に立ち会い、本人確認、意思確認、対象物件の確認、そして登記に必要な書類が全て揃っていることなどを確認して、取引にGOサインを出すことです。
決済現場(不動産売買の現場)に司法書士が立ち会う必要性
不動産は一般に高価ですので、取引の安全のためには、売主から買主への所有権移転登記と、買主から売主への(残)代金の支払を同時にする必要があります(「同時履行」と言います。)。しかし、買主が代金を支払ったとしても登記の方はその日に完了するわけではありません。つまり、代金支払から登記完了までにタイムラグが生じるのです。これでは同時履行が実現できません。
そこで、同時履行を実質的に実現するために、司法書士が決済現場に立ち会い、その場で必要書類を確認するなどして、法務局に代わって登記ができることを宣言し、また代金の支払(銀行の融資)をしても問題がないことを宣言する必要があるのです。
代金は支払ったのに、万が一、後日登記ができなかったとしたら買主は甚大な損害を被る可能性があります。司法書士の責任は非常に重いのです。
また、このような司法書士の仕事は見た目は地味ではありますが、不動産取引を通じて日本経済を下支えしている重要な仕事なのです。
決済の現場
決済現場には関係者が一堂に会します。現場に集まる関係者とは、売主様、買主様、融資をする金融機関の担当者、仲介する不動産業者、司法書士などです。
決済現場では最初は緊張した雰囲気が漂います。
しかし、全て手続が終わり、無事決済が終了すると、皆さん満足された表情になります。買主様は希望していた不動産が手に入るので嬉しいことと思いますし、売主様も代金が支払われ、金融機関や仲介業者もこれまで準備してきた仕事が完了しますので、つまり全員が幸せになれるのです。仲介業者、銀行担当者や司法書士は買主様に対して「おめでとうございます」と声をかけたりします。
このあたりは裁判とは全く違います。私は、長年、裁判所書記官として、原告・被告という対立構造にある当事者を見てきました。裁判所で当事者全員が幸せになれるとしたら、手続の最後で、原告・被告とも双方希望通りの和解が成立したような場合に限られます。しかし、決済は、最初から当事者全員が同じ方向を向いて準備を進めていくのです。 私が初めて決済現場を見たのは、配属研修で配属先の司法書士の先生に同行させていただいたときです。決済が無事終了すると皆さん本当に嬉しそうでした。このときは、司法書士としての責任の重さを改めて実感するとともに、やりがいのある仕事なのだと感じました。

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